2018年9月18日火曜日

韓国財閥トップら同行で制裁“骨抜き”の恐れも 南北の“暴走”に米国も懸念

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による3回目の南北首脳会談が18日午後、北朝鮮の平壌(ピョンヤン)で行われる。「北朝鮮の非核化」をめぐり、文氏は米朝の仲介役を自任し、訪朝には韓国の財閥トップらが同行する。北朝鮮への経済支援を打ち出すようなことがあれば、対北制裁を骨抜きにする恐れも出てくる。
 
注目の対面は、熱狂的な抱擁で始まった。文氏の専用機は18日午前9時50分ごろ、平壌国際空港に到着。タラップを降りた文氏は、出迎えた正恩氏と何度も抱き合った。空港には李雪主(リ・ソルジュ)夫人や、正恩氏の妹、与正(ヨジョン)氏の姿もあった。

空港には「文在寅大統領を熱烈に歓迎」「民族の団結した力で平和と繁栄の時代を」と書かれた看板も用意された。

文氏と正恩氏はその後、同じ車両で宿舎まで移動し、南北の「蜜月ムード」を演出した。

首脳会談では、非核化に向けた具体的行動の約束を、正恩氏から引き出せるかが焦点で、応じるかどうかは不透明だ。

一方で、危険もはらんでいる。今回の訪朝には韓国財閥のトップらが同行しており、北朝鮮への経済的支援を打ち出す恐れが否定できないのだ。そうした事態になれば、国際社会による対北朝鮮包囲網は一気に瓦解(がかい)しかねない。

米国も同様の懸念を抱いているようだ。

南北首脳会談の開催を目前に控えた17日(米国時間)、マイク・ポンペオ国務長官はツイッターに、「米国は、(国連安全保障理事会の)対北朝鮮制裁に関する会合をきょう開催するよう求めた」と投稿した。

ポンペオ氏だけでなく、トランプ政権の高官は最近、対北朝鮮制裁を強調している。

こうした動きについて、韓国紙、朝鮮日報(日本語版)は17日の社説で、「核兵器の廃棄に向けた実質的な行動を取るまでは、北朝鮮に対する制裁に一切手をつけるなというメッセージが米国の行動には込められているのだ」と指摘した。

文氏は20日まで北朝鮮に滞在し、正恩氏とは複数回会談する予定となっている。北朝鮮を利するような動きがあれば、トランプ政権の怒りは文氏に向かいそうだ。夕刊フジより

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