2018年7月2日月曜日

地方バブル、不透明売買 外資流入、路線価上昇率が4年連続首位のニセコ

4年連続で路線価の上昇率が全国1位となったのは、世界的スキーリゾートとして外国資本で活況を呈す北海道ニセコ地区の道道ニセコ高原比羅夫線通り(倶知安町)。路線価が5年で7倍に跳ね上がった「ローカルバブル」(不動産鑑定士)の現場を歩くと、タックスヘイブン(租税回避地)に拠点を置く企業が多くの物件を所有し、不透明な不動産取引が行われている実態も浮かび上がった。

アジア系が殺到

羊蹄山を望む高台のスキー場へと続く「ひらふ坂」。冬には外国人客で埋まるという目抜き通りも、オフシーズンの今は閑散としていた。付近では、年内に開業予定のコンドミニアムの建設が進む。

坂の中腹から高台にかけての通りが、路線価が前年比88・2%上昇した地点。バブル期の昭和63年に記録した過去最高の上昇率91・1%(JR横浜駅西口バスターミナル前通り)に匹敵する異常な高騰だ。

「中国などアジア系の人にとってニセコに不動産を持つことはステータス。ホテルは分譲型が多く、部屋ごとに外国人が区分所有し、普段はホテルの一室として貸している」。地元の不動産関係者はこう語る。

あるホテルの登記簿には中国・上海、シンガポールなどに居住する外国人の名が区分所有者欄に並ぶ。2008年のリーマンショックまでは雪質の良いスキーリゾートとして、オーストラリア人に人気で、豪州資本の参入が目立ったが、近年は売り手に回り、中国などアジア系資本が殺到している。

ペーパー会社所有

同町によると、平成29年の景観地区の建築確認申請数78件のうち外国人オーナーは46件と約6割。だが、申請者が日本人や日本企業でも、区分所有者が外国人であることも少なくない。

地元の不動産関係者によると、所有者にはタックスヘイブンの実体のないペーパーカンパニーとみられる企業が多いという。「不動産を所有するペーパーカンパニー自体を売買するので登記簿上は不動産の取引が分からない」と明かす。

同町の調べでは、タックスヘイブンに拠点があるのは28年度で82社に上り、うち74社が英領バージン諸島に拠点を置いていた。ただ、こうした所有者がペーパーカンパニーかどうかは町としては把握できないという。

20年には同町で中国資本に57ヘクタールの土地が買収されていたことが判明。うち32ヘクタールが水源機能を持つ保安林だった。外資による土地取得に警戒感が広がる中、町では不動産取得税や固定資産税を徴収するために登記を確認し、約10年前から海外の所有者にも納税通知書を国際郵便で送付している。

町関係者は「1年間滞納が続けば差し押さえる。海外の所有者では、あて先不明で返送される未送達や、送達しても未納となるケースがあり、過去約10年間で100件以上差し押さえになった」と明かす。

「いつかはじける」

リゾート関連施設で働く従業員向け集合住宅の建設需要も増加し、地価高騰の影響はスキー場から離れた市街地にも及んでいる。「坪100万の高値で売れた」と喜んでペンションや店舗を売却する住民がいる一方で、「ここは住むところではない」と倶知安を後にする人もいる。

市街地のJR倶知安駅前でギフトショップ「やまだ園」を営んできた山田勉さん(81)は「古くからある店が次々と廃業し、高値で売却している。今はあまりに異常だ」と話す。

ひらふ坂の近くで40年以上続くロッジ「コロポックル」で働く岡田秀俊さん(35)はこう語った。「外資で栄えるのはいいことだが、いつかバブルがはじけるのではという不安はある」産経ニュースより

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