2018年7月2日月曜日

投資も、消費も、雇用も韓国だけ疲弊…「自害政策」のせい

韓国経済が全方向で悪化している。輸出、投資、消費、雇用など例外がない。毎日発表される経済指標ごとに後退している。先月の輸出増加率はマイナス0.1%で2カ月ぶりに減少した。「5月の産業活動動向」では設備投資が3カ月連続、消費(小売り販売)は2カ月連続で減った。5月に7万件まで減った新規雇用数が6月はどうだったかも中旬に発表される雇用動向が恐ろしいほどだ。

「経済は心理」と言うが、企業の景気見通しはますます悪化している。600大企業の景況指数(BSI)の7月の見通しは90.7で、17カ月来の最低水準。OECD25カ国中唯一韓国企業だけが景気悪化を予想したのも同じ脈絡だ。今後の景気を計る先行指数循環変動値が4カ月連続で下落傾向のため下半期に急激な景気低迷がくるという警告まで出ている。

景気が悪化する兆しが見えると先に動くのが株価と為替相場だ。年初に2600ポイントを見据えていたKOSPI指数はすでに2300ポイントまで危うい。外国人投資家は先月韓国証券市場から最大規模となる1兆8000億ウォンを引き揚げるなど5カ月連続で売り攻勢をかけている。1ドル=1070ウォン水準だった為替相場もいつの間にか1120ウォン水準までウォン安が進み経済不安心理をあおっている。

世界が好況局面なのに韓国だけで警告音が大きくなっているということがさらに問題だ。先進国では果敢な規制廃止と労働改革、減税などで活力を取り戻している。米国のトランプノミクス、日本のアベノミクス、フランスのマクロン政権の改革ドライブなどがそうした事例だ。米国と日本は失業率が2~3%台にすぎず、EUも4月の失業率は8.5%でこの10年で最低だ。中国は貿易摩擦の渦中にも1~5月の輸出増加率が13.4%で前年同期の2倍だ。

世界経済に便乗してきた韓国が単独で激しく疲弊しているのは、その原因が内部にあるとしか見られない。この1年間に所得主導成長と親労働政策にオールインし世界の流れに逆行したことは「自害」と変わらない。企業を「積弊」と認識し、企業の支配構造に根掘り葉掘り干渉するなど「反企業政策」一色だった。その上に企業の意欲を鼓舞する規制改革は遅々として進まず、棚に並べただけにすぎない印象が濃い。

その結果企業の士気は地に落ち、自営業者は生死を心配し、働き口を求める青年はさらに挫折している。今後グローバル貿易戦争が高まり輸出まで後退すれば果たして抜け出す穴があるのか疑問だ。今年韓国政府が目標にした「3%成長」が問題なのではなく、経済・産業基盤の崩壊を心配しなければならない時だ。雇用も、家計所得も、企業が存続してこそ増える。それでも青瓦台(チョンワデ、大統領府)は「所得主導成長をさらにスピード感を持って推進したい」とする。

経済は理念・理想ではなく現実だ。一度崩壊すれば回復させるのに刻苦の努力と時間が必要だ。いま切実なのは与党、政府、青瓦台が経済の現実をありのままに直視することだ。中央日報より

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