2017年9月21日、韓国で14年に起こった旅客船セウォル号沈没事故で一人息子を亡くした父親が公務員に暴行を加えたとして起訴された事件で、裁判所が下した判断に波紋が広がっている。韓国・聯合ニュースなどが報じた。
光州(クァンジュ)地裁・木浦(モッポ)支部は同日、傷害と公務執行妨害罪で在宅起訴されたチェ・ギョンドク被告(47)に対し、懲役4カ月の宣告を猶予したことを明らかにした。宣告猶予は軽微な犯罪について刑の宣告を一定期間猶予する措置で、今回の場合は2年が経過すればチェ被告は刑事処分から解放されることになる。
チェ被告は今年4月、セウォル号船体が引き揚げられた木浦新港内の撮影禁止区域で動画撮影をしていたところ、安全を理由にこれをやめさせようとした海洋水産部の職員に暴行を加え、全治2週間のけがを負わせた。チェ被告はセウォル号事故で一人息子のソンホ君を亡くしており、遺族らでつくる4・16家族協議会の「船体記録団」の一員として動画記録を担当していた。
裁判所は判決について「犯行方法を考えれば罪質は良くなく、今もって被害者から許されていない。しかし犯行を認め過ちを悔いており、前科がない。また犯行経緯に考慮すべき事情があり傷害の程度が重くない」と理由を明らかにした。さらに「被告人はただ一人の子を失い言葉では言い表せない痛みを経験しており、国や社会全体が事故の発生経緯および収拾過程においてみせた振る舞いに大きな失望と不信を覚え、結局犯行に及ぶことになった」と説明した。
しかしこれについて韓国では「セウォル号の遺族が罪を犯しても、社会がその痛みを理解すべき」という趣旨の判決だと批判的に報じるメディアもあり、ネットユーザーからも「あり得ない。法廷が政治的な判断をしている」「裁判所が認めた暴行免許かよ」「セウォル号なら何でも許される世の中だな」「遺族は人を殴っても大目に見てもらえるんだね」と怒りの声が多数上がっている。
また「これが国なのか?」「狂ってる。法は万人に平等であるべきだ」「これで検察が控訴しないなら、法治国家という看板を下ろせ」と、国や社会の問題を指摘する声も多く、「大韓民国はセウォル民国だから仕方ないな」「セウォル号遺族は大統領より上、韓国のトップに君臨している」と諦めムードの声もあった。
韓国では先だっても、セウォル号特別法制定に関するデモの最中に警察官に暴行したとして起訴された遺族2人に大田(テジョン)地裁でそれぞれ無罪、宣告猶予の判決が出されている。 レコードチャイナより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年9月23日土曜日
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