北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が中距離弾道ミサイル「火星12」の発射訓練を視察したと報じた。「発射された弾道ミサイルは予定された軌道に沿って日本の北海道上空を通過し、太平洋上の設定された目標水域に正確に落ちた」という。金委員長は「戦闘的性能と信頼性が検証され、火星12の戦力化が実現した」と述べた。視察した日は発表されていないが、15日とみられる。
朝鮮中央通信によると、今回の発射実験の目的は、「攻撃と防御の作戦遂行能力をさらに強化し、核弾頭の取り扱い手続きを点検し、実戦的な行動手順を確定すること」だったという。
金委員長は「今後、全ての訓練が今回のように核兵器戦力化のための意味ある実用的な訓練になるようにし、各種核弾頭を実戦配備するのに合わせ、その取り扱い手続きを厳格にしなければならない」とも指示。また、「核兵器の完成目標の終着点にほぼ到達した」とも述べ、核弾頭を搭載したミサイルの実戦配備の時期が近づいていることを示唆した。
さらに、金委員長は「我々の最終目標は、米国と実際の力の均衡を成し遂げ、(米国から)軍事的選択肢だの何だのという雑言が出ないようにすることだ」と述べ、米国に対する「核の反撃」能力を引き続き強化する姿勢を示した。
北朝鮮メディアが公開した写真には、前回8月29日とは違い、移動式発射台から弾道ミサイルを直接打ち上げる様子が写っていた。前回発射時も移動式発射台だったが、運搬後に地上から発射しており、今回はより実戦に近い実験を試みた可能性がある。
一方、金委員長は国連安全保障理事会の対北制裁決議について「いまだに国連制裁ごときにしがみついて、われわれを屈服させることができると執念を燃やす自称大国たちの姿がもどかしい」と非難。「大国主義者たちに、彼らによる限りない制裁封鎖の中でも核兵器の完成目標をどうやって達成するのか見せつけなければならない」と、核・ミサイル開発の継続を改めて明言した。
火星12の通常軌道での発射実験は今回で2回目だが、今後は大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の完成に向けた開発を加速するとみられ、ミサイル発射実験は継続する可能性が高い。 毎日新聞より
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