2017年9月1日金曜日

圧倒的な攻撃力 米空軍・戦術爆撃機B-1

北朝鮮は8月29日午前5時58分、弾道ミサイル「火星12」を発射し、北海道上空を通過させ、襟裳岬の東約1180キロの太平洋に撃ち込んだ。初めてJアラート(全国瞬時警報システム)が作動し、日本列島は朝から緊迫した。
 
早速韓国は動いた。4機の戦闘爆撃機F-15K「スラムイーグル」から8発の爆弾投下訓練を実施した。「北朝鮮の指導部を狙ったもの」と、恫喝(どうかつ)に恫喝で答える姿勢を見せた。

混とんとした極東アジアで、圧倒的存在感を示しているのが米空軍の戦術爆撃機B-1である。昨年9月、北朝鮮が5度目の核実験を強行したころから、米国領グアムに暫定配備された。最近では、韓国空軍や航空自衛隊と共同訓練を実施している。このため、北朝鮮はグアムを名指し、弾道ミサイル4発で包囲射撃すると予告した。

これほど、北朝鮮が恐れるB-1とは何か。

まず、誤解されているが、B-1には核兵器搭載能力はない。B-52やB-2のように、核兵器を搭載できない爆撃機をあえて選んで、グアムに展開していることに意味がある。米国は、北朝鮮の恫喝に対し、必要以上の脅しはかけず、冷静に対応することを暗に示唆しているのだ。

ニックネームは「ランサー」。19世紀半ばまで、先陣を切って戦ったやり騎兵のことだ。だが、部隊では「ボーン」(骨)と呼ばれている。1をONEと表記し、続けて書くと「BONE」となるからだ。

製造したのは、今はなきロックウェルインターナショナル社(米)。初期開発は1965年ごろで、初飛行は74年12月。当時は、超音速で飛行可能な長距離戦略核爆撃機だった。94年に米国がロシアと結んだ第二次戦略兵器削減条約で、核攻撃任務から外れた。

特徴的な黒いカラーリングだが、当初は白かった。そこで、一部で「死の白鳥」などと呼ばれたこともある。

ステルス性を持ち、マッハ1・25で飛行できる。巡航ミサイルや各種誘導爆弾などを搭載可能だ。まさに、この機体の誕生は旧ソ連の脅威となった。そこで、B-1を参考に、見た目もそっくりな戦略爆撃機Tu-160「ブラックジャック」を作った。こちらは核ミサイルも搭載可能である。

B-1はグアムを飛び立てば、北朝鮮まで2時間足らず。ピンポイントで北朝鮮の主要軍事施設を破壊できる。そんなB-1が、目と鼻の先に常駐していることは、北朝鮮にとって、これ以上ない恐怖だ。日本や韓国と訓練している写真を公表するだけで、ミサイル発射実験よりもはるかに抑止力となる存在である。

第2次朝鮮戦争が開戦となれば、最初に北朝鮮を攻撃するのはB-1となるのは間違いない。  夕刊フジより

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