2011年7月18日月曜日

デフォルトへの備え無し

米政府の債務上限引き上げをめぐる協議が難航し、デフォルト(債務不履行)が現実味を増す中、そうした事態に備えていない大きな集団がある。ウォール街の金融関係者だ。

 ワシントンでの党派争いは、8月2日の期限までに政府の法定債務上限を引き上げようとする努力の妨げとなってきた。期限を過ぎれば、米国は債務に対する支払いが不可能となる可能性がある。

 しかし、資金運用会社や国債トレーダーらは、事実上リスクフリーとみなされている債務者のデフォルトが招く結果を政治家があえて試すようなことはしないと信じている。このため、デフォルトに備えようとする市場参加者は、ほとんどいない。

 米国のデフォルトに対してヘッジしようとする動きがみられないのは、選択肢がほとんどないということも理由の一つだ。せいぜい考えられる対策は、米国債のショート、ドイツやカナダなど最上級格付けの国のソブリン債の購入や金塊買いといったところだ。

 キャボット・マネー・マネジメント(マサチューセッツ州セーラム)の債券ポートフォリオマネジャー、ウィリアム・ラーキン氏は「ほとんどの市場参加者は、デフォルトの確率をゼロとみている。悪影響は非常に深刻であり、米政府がそうした事態を容認するはずがないと誰もが考えている」と指摘した。

 残り2週間あるものの、財政赤字削減計画をめぐる与野党の交渉には、ほとんど進展がみられない。

 仮に米国がデフォルトに陥れば、金利が跳ね上がり、ドルが大半の価値を失い、世界経済が再び景気後退に陥る恐れがある。

 チャールズ・シュワブ(ニューヨーク)の債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は、資産配分における現金比率の引き上げや、カナダ、ドイツなど最上級格付けの国債を代替投資先として検討することを提案しつつ、米国債の完全な代替はないと指摘。同氏は「問題は、規模と流動性において米国債に匹敵する市場は多くないということだ」と語った。

 潜在的デフォルトの皮肉な側面の一つは、米国債相場にとっては好材料となり得るということだ。

 MFグローバル(ニューヨーク)の米国債トレーダー、マック・バッド氏は「米国がデフォルトとなれば、経済にとっても極めて打撃となる。こうした観点からみると、米国債にとっては典型的な支援材料になる」と指摘した。

 4キャスト(ニューヨーク)の債券アナリスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は、米国のデフォルトによって金融市場が混乱すれば、その規模は非常に大きく、逃避先となる他の債務が依然として安全と考えることは不可能だと指摘。同氏は「あまり言いたくはないが、現時点では金塊への投資が最善とみられる」と話した。(ロイター)

金融市場関係者は、ぎりぎりのところで野党共和党が妥協すると考えているようである。アメリカがデフォルト(債務不履行)すれば、その影響は世界を揺るがす規模の大混乱することを、あえて行うという事を金融界は想定していないみたいである。私もそう考えている、ぎりぎりのところで妥協すると思う。

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