2011年7月3日日曜日

年金の支給開始を先延ばしか

民主党は、現行の年金制度の構造を大きく変える新しい年金制度を公約にしています。しかし、今回の政府案では、新制度の実現には様々なハードルがあるとして先送り。当面は現行制度を「改善」するとしました。
その中で国民生活に重大な影響を与えるのが、年金支給開始年齢引き上げです。

70歳に延長も

2度にわたる改悪で、現在、支給開始年齢は段階的に60歳から65歳に引き上げられている最中。男性は1961年に生まれた人から、女性は66年度に生まれた人から、厚生年金の報酬比例部分も含めて完全に65歳支給になります。
政府案は、それをさらに68歳~70歳に引き上げる方向を打ち出しました。政府は、現在の段階的引き上げを前倒しで早める案も「資料」として提出。それによれば男女とも60年代以降に生まれた人は68歳から支給になります。65歳で支給が始まると思ったら、68歳まで延び、さらに70歳まで先延ばしされかねない、まさに、〝逃げ水〟です。
68歳や70歳まで年金が出なかったら、老後をどうやって暮らすのか。政府案は、支給開始年齢引き上げは「高齢者雇用の確保を図りつつ」検討するとして、年を取っても働き続ける事を求めます。しかし、高齢者に適当な職場は少なく、賃金も低いのが現状です。支給開始引き延ばしは生存権の否定に等しい政策です。
老後の不安が増すことは現役世代の消費にブレーキをかけ、景気にもマイナスをもたらします。

財界の要求受け
すでに年金を受給している人の年金額を下げることも盛り込まれています。
2004年の法改悪で、少子高齢化の進展に応じて年金額を抑制する「マクロ経済スライド」が導入されました。
物価が上がった場合、通常はそれに応じて年金額を引き上げます。しかし、マクロ経済スライドを実施すると、物価が上がっても年金額が上がらないので、目減りします。標準的な年金支給水準を、2009年度に現役の平均手取り収入の62.3%だったのを、38年度には50.1%まで下げる仕組みです。
ただし、導入した自公政権も国民の批判を恐れ、年金の名目額を減らしてまでは、マクロ経済スライドを行わないルールを作りました。物価下落時にはマクロ経済スライドは実施されませんでした。
政府の「社会保障改革」案では、財界の強い要求を受けて、そのルールを外そうとしています。
現在、物価が下がると「物価スライド」によって年金額が下げられ、高齢者の暮らしを脅かしています、それに加えてマクロ経済スライドが実施されれば、物価の下落幅以上に年金額が減ることになります。政府案は、それによって毎年0.1兆円ずつ公費を削減できるとしています。(新聞報道より)

いい加減にして欲しいと思います。本当に庶民は、老後も安心して暮らすことが出来なくなります。
死ぬまで働けと言うことみたいですね。働けるところがあればそれはそれでいいですが、無ければどうして暮らしを立てるのか、政府は老後雇用を義務化する法律を作り、企業に強制的に守らせるようにしなければ、ならないのではないでしょうか。反対の声を上げていきましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

日産ケリー前代表取締役の保釈決定 保釈金7000万円 東京地裁

金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車のグレッグ・ケリー前代表取締役について、東京地方裁判所は保釈を認める決定をしました。検察はこれを不服として準抗告するとみられますが、裁判所が退ければ、ケリー前代表取締役は早ければ25日にもおよそ1か月ぶりに保釈される見通しです。一方、...