障害者の基本的人権を明記するなど、障害者の基本的原則を定めた障害者基本法の改正案(昭和45年5月に制定)が参議院本会議で採決され、全会一致で、成立しました。
(障害者基本法)とは
「障害者基本法(しょうがいしゃきほんほう、昭和45年5月21日法律第84号)は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もって障害者の福祉を増進することを目的として制定された日本の法律である。」
改正案の障害者の定義には「継続的、周期的に状態が変動する場合も含まれる」「その他の心身の機能の障害には難病も含まれる」と政府が答弁していることをあげ、今後制定される障害者総合福祉法も基本法の主旨をふまえた議論がされると言うことのようである。
改正案は、障害者が社会生活を営む上で障壁を除去する「合理的は配慮」を行う努力義務を明記しました。法案の合理的は配慮とは、障害者権利条約に規定された「合理的配慮」の趣旨を反映したものと説明。努力義務の主体は「政府や自治体は当然だ」だし、民間の企業も法律を遵守することが求められてくると思います。
制度改革の第1歩
29日に成立した障害者基本法改正法は、国連の障害者権利条約批准に向けた国内関連法案を整備していくためのベースとなるものです。まだ不十分な点はあるものの、1歩前した改正案になりました。
個人の尊厳
改正法を巡って、内閣府に設置された「障害者制度改革推進会議」が昨年末、「第二次意見」をとりまとめました。同会議の委員の多くは、障害のある当事者や関係者です。会議は30回を超え、毎回、傍聴には多くの人が詰め掛けました。改正法には、同会議での議論が一定反映する内容が盛り込まれました。理念としては「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるもの」と規定を定めました。これは、国の政策や制度において障害者の基本的人権を侵害する事無く、その個人として尊厳を守らなくてはならないと明確にするものです。
障害者の定義について「障害および社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」と規定し、障害者の状況を見る時、社会参加を阻む社会環境を勘案することを明らかにしました。さらに、内閣府に障害者政策委員会を設置することを規定。障害者も委員となり、同法に基づく施策の実施状況を監視し、政府に勧告できます。
審議は1日
半面、改正法には、施策の実施について「可能な限り」と制限をつけるなど不十分な点が残されました。「第二次意見」を十分に反映したものとは言い難く、また、修正協議は民主、自民、公明の三党だけで進められました。国会審議では当事者の声を聞く参考人質疑さえ行われず、衆参両院ともわずか一日の委員会審議で、翌日には本会議で採決されるという進め方でした。
同法成立で、多くの課題を残したまま、障害者権利条約の批准に向けた障害者制度改革の第一歩は踏み出されました。
改正法の理念や諸規定を根拠に、障害者施策の改革を求める運動が求められます。これから続く、障害者自立支援法を廃止した後の、新法・障害者総合福祉法(仮称)や障害者差別禁止法制定に向けた議論では、当事者の声を反映し、審議を十分に尽くすことこそが必要です。(新聞報道より引用)
ようやく、障害者基本法改正案が成立しました。不十分な点はありますが、この法案が足がかりに、障害者が本当に求めている法律を作ることが出来る事が可能になりました。施策の実施状況を監視する委員会も内閣府に設置され政府に勧告することも出来るようになったのは運動の大きな成果です。ただ、施策の実施には「可能な限り」と否定的な文言がありますが、その可能とはどこまでなのかという恣意的な文言もありますが、障害者や関係者の運動を盛り上げ「可能な限り」という文言を削除する運動も必要になってくると思います。
まだ、第一歩です。これからが本番です。全国的な障害者運動を高めていき、政府や政党に障害者の現状を認めさせ、真に障害者が社会の一員として生活できるような運動を盛り上げていきましょう。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2011年7月31日日曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
日産ケリー前代表取締役の保釈決定 保釈金7000万円 東京地裁
金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車のグレッグ・ケリー前代表取締役について、東京地方裁判所は保釈を認める決定をしました。検察はこれを不服として準抗告するとみられますが、裁判所が退ければ、ケリー前代表取締役は早ければ25日にもおよそ1か月ぶりに保釈される見通しです。一方、...
-
インターネット 上には「掛けてはいけない電話番号」と銘打たれた、詳細不明の電話番号のリストが多数存在しています。それら電話番号と共に書かれている文面を見るに「掛けると死ぬ」「呪われる」「ドッペルゲンガー」「 宇宙人 」「貞子の電話番号」「花子さんの電話番号」などなど、いかにも恐ろ...
-
ホラー 映画『ファイナル・デッドコースター』で描かれるような遊園地での悲惨な死亡事故は、残念ながら現実でも起きてしまうことがある。今年8月には岡山県の遊園地で、走行中のジェットコースターの安全バーが外れ、乗客1人が負傷する事故が発生した。また、同日には大分県の遊園地でも、レールを...
-
人を殺した人と会う。 死刑囚 の実像に迫るシリーズ【3】 「“あの時”に 時間 を戻せたらいいのに、ということはいつも思います。ただ、もしも“あの時”に戻れるとしても、今の自分で戻りたいです。自分まで当時の自分に戻ったら、また同じことを繰り返してしまいそうだからです」 昨...
0 件のコメント:
コメントを投稿