2011年2月20日日曜日

障害者制度改革実現を(新聞より抜粋)

安心して暮らせる地方自治にセミナー

このブログでも開催を紹介させていただいた、「障害者施策の転換!制度改革のあり方を問う」と題したセミナーが19日、東京都内で開催されました。主催は、日本障害者センター・セミナー実行委員会です。
日本障害者センターの吉本哲夫理事長は「地方自治体施策の後退の流れの中で、障害者施策の方向性を作り、地方や政府にどう働きかければいいのかを考えよう」と挨拶しました。
日本社会事業大学の平野准教授が講演し、民主党政権が狙い「地域主権」は国が地方へ権限を委譲するのではなく、地方でやるべき事を民間へ移行するもので、財界の要求にこたえるためのものだと指摘。本当の意味での「地域主権」は、障害があっても安心して暮らせる社会であり、住民自治を発展させる方向であるべきだと強調しました。
政府内に設置された障害者制度改革推進会議は、国連の障害者権利条約批准に向けて障害者施策について抜本的に改正しようと議論を展開しています。
NPO法人大阪障害者センターの井上泰司常務理事は「推進会議は障害者のある当事者が参加して議論しているが、当事者の実態に即していない」と指摘。
「障害者は、暮らしの貧困、高齢化が進む中で先行きが見えない不安を抱えている点を踏まえて制度改革するべきだ」と提案しました。
また、政府が、「地域主権改革」や「税と社会保障の一体改革」を進めようとする中で、障害者団体間での共同や福祉分野での共同をはかった運動をしようと呼びかけました。

やはり、障害者団体や福祉分野での共同の運動が重要であることが強調されました。黙していると政府は、障害者の声を無視して障害者の生活に即した法律の制定に背を向けようとすることが、明らかです。団体間の枠を越えて障害者が人間として普通に生活できる法律の制定に向けた運動の構築が求められている段階だと言えます。障害者自立支援法の廃止を目指し新しい法律の制定を目指しましょう。

同新聞には、障害者の権利を尊重せよ(違憲訴訟団と日弁連声明)
障害者自立支援法違憲訴訟団は18日、政府が14日に出した障害者基本改正案に対して声明を出しました。声明は昨年1月、訴訟団が国と結んだ基本合意に照らしても、「極めて憂慮すべき水準。障害者の『権利』を否定する内容」と批判しています。基本合意は憲法13条の自己決定権の尊重を確認し、障害者の意見を十分に踏まえることなく制度を施行した反省を踏まえて今後の施策の立案に当たるとしています。声明は、政府は障害者制度改革推進会議の意見を尊重した内容に、同法案を修正すべきだと強調しています。
またに日本弁護士連合会(宇都宮会長)は18日、「閣議決定に沿った障害者基本法の抜本的改正を求める声明」を出しました。
声明は、政府が出した障害者基本法改正案は、国連の障害者権利条約だけでなく、政府が昨年6月、障害者制度改革に向けた閣議決定した内容や障害者制度改革推進会議が昨年12月にまとめた第2次意見に沿っていないと指摘。「とうてい、権利条約が提示する人権の国際水準に到達したものとは言えない」と批判しています。

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