2011年4月24日日曜日

日本の三重苦

日本の現状を素人の私が概観すると、三重苦に見舞われているのではないかと思えます。
一つは、財政問題、二つ目は東日本大震災の復興、三つ目は原発問題。
財政問題はこのブログでも何回も書いたとおり、危機的な財政状況です。2011年度の予算案は通りましたが、予算関連法案はねじれ国会の影響でまだ通過していません。このままでいけば今年の後半には公務員の給与が遅配になりかねない状況が生まれます。税収が約40兆円しかないので、新規の国債発行は法案が通らない限り、発行することはできません。40兆円の内、国債の償還に20兆円(これを返さなければ国債が暴落するので)、国防費に5兆円、公共事業に5兆円(修理・維持費)、エネルギー・食料安定供給や税関関係で10兆円これで40兆円はきれいに消えます。社会福祉予算や地方交付税、教育予算は捻出することは出来ません。公務員の給与も支払い不能になり、今のままだと今年の後半には、危機的な状況が発生することになります。多分、その前に民主、自民が妥協して法案は通すだろうとは思いますが、しかしぎりぎりまでお互いに妥協することはしないのではないかと思います。

二つ目には震災です。震災から1ヶ月以上が経過しましたが。復興の足音はまだ聞こえてきません。復興予算(10兆円とも20兆円ともいわれる額)をどこから捻出するのか、政府は復興国債の発行を10兆円発行する案が浮上し、日銀が全額引き受けるという。新規の国債発行も検討されたが、これ以上国債を発行すると財政事情が悪化することと、国債の格付けがさらに下がることによる金利の上昇をまねくおそれがあるために、日銀が全額引き受けるということになりそうである。
日銀が国債を引き受けるという禁じ手を一度始めると、歯止めがきかなくなるおそれが出てきそうである。今回は特別の事由がということで日銀が引き受けるということであるが、付加価値の裏付けのない、日銀券を発行することで、インフレをまねくおそれが出てくるかもしれません。

三つ目は原発です。福島第1原発も先行きがどうなるのか見えない状況です。廃炉にすることは決まっているが、その前に原発を安定化することが先で、それすらも先が見えていない状況である。完全に処理するのに20年~30年の年月がかかるという気が遠くなるような時間が必要である。避難区域の生活再建も急務である。これもどれほどのお金がかかるか分からない。東電が第一義的な責任はあるが、東電だけで補償することは無理であるので、最終的には国が肩代わりしなければならなくなるので、これまた、国債の発行につながるおそれが出てきそうである。
『もんじゅ』の問題もこのブログに書いたとおりで、いつ甚大な事故につながるか分からない状況である。メルトダウンでもすれば日本の300㌔圏内は放射能に汚染される。日本沈没である。北陸地方に地震でも起これば、『もんじゅ』の燃料棒を冷却している電源が途絶えれば、大変なである。冷却には液体ナトリウムを使用しているので、電源が止まれば冷却機能がストップしてしまい、手のつけようがない状態になる。液体ナトリウムは取り扱いが大変難しい物質で、水や空気にふれると激しく反応し大爆発を起こす可能性がある。水素爆発の比ではないそうである。

以上、3つの問題をどのように解決していくのか、本当に日本人の知恵と努力が求められている時期ではないかと思う。特に不安を煽るために書いているのではない。事実を事実として認識しそれにどう対応していくのか、今求められていると私は思うから書いている。

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