北朝鮮の核ミサイル開発をめぐる米国と北朝鮮の対立は、北朝鮮の狂気の挑発に対し、米国が強い姿勢を打ち出し、エスカレートしたように見えたかもしれない。朝鮮労働党委員長の金正恩が1月1日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験準備が「最終段階」と表明し、その後も、ミサイル発射を繰り返したのに対して、米国大統領のトランプは原子力空母カールビンソンを朝鮮半島近海に移動させることを決定した結果、両国間の緊張が高まって日本の新聞やテレビを追うだけでは、そう見えたのもやむを得ない。
しかし、実際には、そんな単純な構図ではない。この事態が起きる可能性は、昨年から徐々に高まっていたといえる。私は昨秋には米朝の軍事衝突の可能性が二〇~三〇%になっていたと分析しており、機会をとらえ警告を発していたが、可能性は1月1日のICBM最終段階宣言でさらに高まり、トランプ政権誕生で現実味を強めていったのである。無論、北朝鮮も米国も自らのメンツだけにこだわって対立をエスカレートさせたのではない。まして金正恩が自暴自棄になっただとか、トランプが感情的になっただとか、そういう話では断じてない。
単純に言えば、北朝鮮は自国の存続のために、米本土に届く核ミサイル開発で米国を交渉の場に引きずり出そうとし、米国は、多数の自国民が核ミサイルによって死ぬ事態だけは断じて避けなければならないと考え、両者がギリギリの政治戦と神経戦を繰り広げた結果なのである。
北朝鮮の狙いは金体制の保障
なぜ北朝鮮が、ここまでのリスクを冒して核ミサイル開発にこだわってきたかといえば、それは、北の現国内体制の存続に関する米国の保障を取り付けるためである。
今の北朝鮮の国家目標は、金正恩を中心とする国家体制の確立、維持である。どんなに自国民が窮乏しても、金正恩体制を守ることが第一だというのは、明らかであろう。では、その北朝鮮の体制を保障してくれるのは、誰なのか。さまざまなルートを通じて資金や経済的な利益をもたらしてくれる中国か。いや、違う。もちろん、ロシアでも韓国でもない。歴史的に、米国によって国家体制を潰されるかもしれないという恐怖心を抱いてきた北朝鮮は、その裏返しとして、米国による現体制の保障を求めているのだ。
北朝鮮は、朝鮮戦争(一九五〇年~五三年休戦)において緒戦の優勢のあと攻守所を変えるきっかけとなったインチョン上陸作戦以降、米軍により一度は敗北ギリギリまで追い詰められた。当時の指導者、金日成は実際には為す術もなく、中国とソ連(現在のロシア)の参戦と支援によって辛うじて戦勢を回復して同戦争を休戦(引き分け)に持ち込み、金体制は生き永らえることができた。自らは決して認めることのないこの悲惨な経験により、北は自国が国家生存に無策であれば米国により国家を潰されるという恐怖に苛まれることになったのである。
冷戦期、米ソの核均衡時代になっても、北朝鮮は軍事的に存在を保障されたとはいえなかった。韓国に米軍が駐留したのに対し、ソ連も中国も北朝鮮に大規模な駐留軍を置くことがなかったからだ。
今日でも北は、各種の軍事装備を保有する量的には世界有数の大規模な軍事力を有している。同時にその現状は約二十五年にわたり核と弾道弾に偏って国家資源を過重投資し続けた結果、真に有効な通常戦力は、三八度線からさほど離れていないソウルを「火の海にすることができる」と豪語する長距離砲兵と、韓国軍や米軍でも完全な封殺が困難な特殊部隊による奇襲やゲリラ戦能力のみが頼みとなる存在となっている。 朝鮮戦争休戦以降の北は、もともと豊かではない国力の大部分を軍事力構築に振り向けることによりかろうじて南北の軍事的均衡を維持してきた。一九九〇年代以降、北は通常戦力を維持するよりもはるかに大規模な国家資源投入が必要となる核兵器と弾道弾開発に着手したため、その代償として北の通常戦力近代化は大きく遅れた。その結果、北自身が大規模かつ本格的な通常戦力による正面衝突を有利に戦い勝利するために必要な軍事力そのものに加え、その基盤となる人的資源及び経済力の双方も、もはや保持し得ない状況となっていることは、北自身が最もよく認識していたのである。
そういう現実の中で、米国から国家体制の存続について保障を取り付けるための唯一の手段が、核兵器と米国に直接到達するICBMであったのだ。
もし核弾頭と米本土に届くICBMがあれば、たとえその数は少なくとも、米国一般市民を大量に殺傷し得る能力を米国に示すことができる。この能力は米国に対する巨大な脅威になることから、それと引き換えに、現在の金一族を中心とする超中央集権・独裁全体主義国家体制の保障を引き出せる。それが北朝鮮の論理であった。
北朝鮮は先に述べた朝鮮戦争の教訓から初代指導者の金日成の時代に、核ミサイル開発を発想したとみられており、原子炉建設なども試みられた。しかし、文字通り「零」から出発した当時の北朝鮮にその余裕はなく、技術水準も加味した場合、弾道弾、核兵器の両者とも、当時その実現は全くの夢物語であった。友邦であったソ連、中国から技術面の協力が得られなかったことがその大きな原因となった。それどころか米国がソ連に働き掛けた結果、北朝鮮は核不拡散条約(NPT)に加盟させられ、国際原子力機関(IAEA)の監視下に置かれることになった。それでも北朝鮮は核開発を諦めることはなく、一九八〇年代後半に冷戦が終わったことで、図らずも事態が好転することとなった。
ソ連の崩壊によって、同国の核及びミサイル技術のノウハウと技術者が共に国外に流出を始めるという、いわゆる大量破壊兵器(Weapons of Mass Destruction: WMD)の拡散が起きたのである。これによって、それまではとても核兵器など持てるはずもなかったパキスタンやイランと同様、北朝鮮もまた核開発を本格的に行うことが可能になった。この環境下、自国による核兵器開発を可能と判断した北朝鮮は一九九四年六月にNPT脱退を宣言した。
アメリカ本土への核攻撃
これに対して米国は核開発の中止(核放棄)を求めてきたが、北の核問題顕在化以来三人の歴代大統領(クリントン、ブッシュ、オバマ:計二十四年間)は核放棄実現のための手段の一つである軍事力の使用をためらった。逆に、国連の経済制裁と中国主導による六か国協議における北との対話による核放棄を期待したものの、現実は、その開発ペースをやや遅らせること以外に何もできなかったといえる。北朝鮮は各種の制裁(sanction)を受けても、核開発を止めることはなかった。一時的な開発停止でいったん合意しても、制裁解除と各種援助再開という利益をとると、約束を実質的に反故にしてきた。よく言われる北の「瀬戸際外交」ならぬ「食い逃げ外交」であり、関係国は繰り返し、その術中にはまったのである。
クリントン政権は、北朝鮮国内での核開発の凍結、国交の正常化への道筋の枠組みで合意したが、北は開発を止めなかったし、クリントン大統領も北朝鮮の爆撃も計画しながら、北の反撃による大被害が見積もられた韓国の強い反対もあり結局は実行しなかった。勿論そのような背景もあるが、現実はクリントン大統領自身に、この問題の本質の深刻さを見極める感性が欠けていたこと及びその結果として断固として軍事力をもって北に立ち向かうという気概と意志がなかったことが、その大きな原因であったと考えられる。当時の米国はまだ、冷戦の勝利という美酒に酔い、クリントン大統領は北朝鮮の核開発について真剣に向き合おうとしていなかったと映る。
ブッシュ・ジュニア大統領は当初、北朝鮮を「悪の枢軸」と非難し、テロ支援国家としたが、結局、自らの任期の最後の段階でそれを取り下げた。次のオバマ大統領は、北朝鮮問題に関する軍事力行使オプションを完全に放棄し、米軍(太平洋軍)の北朝鮮への攻撃計画を金庫にしまい、鍵をかけて封印までしたといえる。クリントン大統領の就任と北の核疑惑が顕在化した一九九三年からオバマ大統領が退任する二〇一七年までの二十四年間、米国が実質的に何もしなかった間に、北朝鮮は核実験を重ね、ミサイルも日本までを射程に入れるノドン、テポドン、そしてグァムに到達するムスダンまで開発を進めてきた。核ミサイルにより一部とはいえ米国市民を脅すところまで来たのである。
もちろん北朝鮮の本音は、これを本当に使用しようというのではない。通常戦力はもとより米国の核戦力は圧倒的であり、北が日韓という同盟国あるいは米国そのものに対し一度でも核を使えば、その結果、米国により激しく報復されることは明白である。厳しい表現ではあるが、北朝鮮が国家ごと蒸発してしまうことから、北の国家目的である現体制保障そのものが吹っ飛んでしまうことは、北の指導者も明確に認識しているものと考えられる。
そうではなく、米本土を攻撃し、米国民を大量に殺す能力を持つという能力自体が北にとって重要なのである。これが米国に対する抑止力と脅威となり、米国による体制存続の保障を引き出す手段になると、彼らは考えるのである。
テポドン1型で沖縄の米軍基地を射程に収めたことは、当面米国本土を攻撃する能力を保持していない彼らにとって、次善の措置として日本に駐留する米軍人を人質にとるという大きな意味があった。日本を脅したり、攻撃したりするのが主目的ではなく、米国へのメッセージなのだ。実際に北朝鮮は3月に日本近海に向け発射した、4発のミサイルについて、在日米軍を対象にしたものだということを初めて明言した。しかしながら我が国自体が北の弾道弾の射程内にあることは今さらあえて強調する必要もなく、我が国の防衛当局にとっては「当たり前」のことであり、北の今回の言及は「それがどうした」という程度のものである。そのようなことは承知のはずの北が今回あえてこれを明言した背景には、昨年秋以来強硬姿勢に転じた米国に対し、米本土はともかくとして、米国の一部である当地域展開中の米軍部隊を攻撃できる能力を示すことにより、米国・米軍を抑止し、自らの体制保障の取り付け、最低でもそのための会議の無条件開催を合意したいという政治的メッセージを発信したものである。
昨年6月には新型の中距離弾道ミサイルのムスダンが限定的な成功を収め、グァムを射程に収めたといえるが、これは米軍人だけではなく、民間人をも人質にとったことを意味する。しかし、米国の反応は相変らずゼロ解答(戦略的忍耐力=北の核完全放棄までは一切北に対応しない政策:Strategic patience)であり、北の目論みは失敗に終わった。
未確認ではあるが、アラスカまで届くテポドン2の発射試験が行われたとの情報もある。総合的に判断すると、米本土に届くICBMは完成レベルに達していないが、近い将来それを実用化する段階になったのである。実際、作戦兵器ではないが昨年2月に人工衛星打ち上げ用に使用したロケット(テポドン2の派生型?)は、軍事用に転用すれば一万二〇〇〇~一万四〇〇〇キロ、すなわち米本土全域を射程内におさめるICBMへ転用が可能と見積もられている。
これはまさに、北朝鮮が米国本土と三億人に上る米国民を人質にとる能力を得ようとしていることを意味するのである。
トランプは金庫の鍵を開けた
これに対し、米国は、「ならず者国家」よりもはるかにひどい超中央集権・独裁全体主義国家である北朝鮮に体制保障を与える交渉など決してしたくないのである。実際、トランプ政権は、北朝鮮との交渉をしようとせず、強硬姿勢をとり続けている。
米国にとって、金日成、金正日、金正恩という独裁者が支配する国家など、まともな国家として認められないことは当然である。米国と体制を異にする核ミサイル国家であるソ連や中国は外交によりコントロールできる国といえるが、北朝鮮は、両国とはまったく異なる。米国からみれば、北朝鮮は人類史上、例を見ない危険国家であり、その核ミサイル開発は人類への挑戦とも映っている。
こうした認識はトランプ政権発足直前から顕在化した。例えば、アメリカはオバマ政権末期の昨年十月には核爆弾B61タイプ11の投下訓練を行ったことを公表した。これは地下への貫通型の核爆弾で、北朝鮮かイランの地下に隠されているミサイル基地攻撃を目的としているといわれるものだ。実際に投下されたのは、機構も構造も本物そっくりでも核の入ってない「INERT」弾だが、明らかに北朝鮮に対するメッセージだった。同時にこれは次期大統領を争っていたクリントン、トランプ両候補に対し米軍の準備状況を行動で報告するという米軍の思惑であった。 今年1月のトランプ政権の発足は、米国の考えを、はっきり示し、二十四年間の実質的な放置の時代から、軍事力の行使も辞さないという姿勢へ舵を切る転換点になったといえる。トランプ大統領は、オバマ政権が北朝鮮攻撃計画を納め続けた金庫の鍵を開けたのである。
本号発刊時に読者が本記事を読むときに生起しているであろう現実の米北関係の予測は困難である。しかし、本項執筆時(平成二十九年四月中旬)においても、現在までの情勢判断の蓄積から米国の北朝鮮攻撃の戦略は、ある程度、分析することが可能だ。
両軍激突を徹底分析
まず米国が攻撃対象として考えるのは、韓国・ソウルを火の海にしようとする北朝鮮の長距離砲兵であるはずだ。攻撃すれば無論、北からの反撃を受け、韓国内を中心に被害が出るだろうが、その被害が許容できる水準までに砲兵部隊の攻撃力を減殺可能と見積もれば、米国は躊躇なく攻撃する。それが戦争である。
ただ、ミリタリーバランス2017や平成二十八年版防衛白書によると、北朝鮮は戦車三五〇〇両、大砲は八五〇〇門に上り、韓国、在韓米軍にとってその長距離砲兵の脅威は決して小さくないことは指摘しておく。米国にとって同盟国韓国の首都の被害を最小限に留めることは、攻撃実施の最大の条件となる。
次に考えられる攻撃対象は、やはり北朝鮮の核兵器、ミサイル部隊、核とミサイルの開発施設であろう。問題は、こうした部隊等の所在場所について、諜報などでどれだけ情報が集められているかである。これが作戦成功の鍵を握る。それから防空能力の無力化のための攻撃も明白である。
全ての条件が満たされ攻撃を実施する場合、第一次攻撃は、最初の五~六時間で、北朝鮮両岸の艦艇・潜水艦からのトマホークとグァムから出撃するB1やB52爆撃機から発射される航空機発射型の巡航ミサイルなどを使って行い、そこで破壊できなかった残存兵力や施設に対し、第二次攻撃として空軍のF16と海軍のFA18等の有人戦闘爆撃機を投入して、「撃ち漏らし」を局限する。これが、ノーマルな攻撃手法というべきだろう。しかし、情勢にあわせて変更されるのが、戦略である。
今日まで米国は日本の協力や中露の理解までも得るために盛んに外交努力を行ってきたが、事ここに至っては国連決議や中国の同意が必要とは本質的に考えないはずだ。米国にとって、自国の領土と多数の国民が脅かされていること自体が自国への直接脅威であり、国益を防護する個別的自衛権の発動の対象なのだ。
ただ、ミリタリーバランスによると、北朝鮮の総兵力は一一九万人(自衛隊の五倍以上)にのぼるし、米国の一方的な攻撃にはならないことは当然である。北の反撃は受けるが、だからといって米国は必要とあれば厭わないだろう。なぜならば、いま核ミサイルを容認すれば、米国は子孫の時代までも脅迫され続けると認識しているからである。ここで気を付けなければならないことは、この問題は米国のみならず全ての人類に対する直接的な大量破壊兵器の脅威と挑戦であり、世界全体が北の核ミサイル問題への対応を求められるという事だ。
北朝鮮の朝鮮人民軍は三八度線へと押し寄せるが、これを押しとどめるのは、第一義的に韓国軍の任務だろう。艦艇の数や作戦機の数を見ても、北の軍事力はかなり大きいが、その装備はほとんどが旧式である。北と南の通常戦力の相対能力は、クリントン大統領が北の攻撃を決心できなかった一九九四年当時に比べ、今日では大きく韓国軍有利となっている。韓国は軍事力を大きく伸ばし、北は核ミサイルへの過大投資により通常兵力の近代化に失敗したのである。ただ、特殊部隊による奇襲・ゲリラ攻撃を全て防ぐことはできないし、韓国側にもかなりの被害が出る。当然、化学兵器、生物兵器が使用されることも考えておくべきだろう。
米韓連合軍と戦わなければならない北として我が国への攻撃は実施するものの、それに割り当て得る兵力には限界がある。しかし、日本に対して一定規模のミサイルやゲリラ攻撃が行われることは確実で、備える必要がある。
ちなみに、一部で、米国が金正恩や北朝鮮指導部をピンポイントで攻撃し、排除する「斬首作戦」が報じられているが、これはオプションの一つではあるが実行は難しく、優先度は低い。
今次事態において、米国が北朝鮮を攻撃する場合の最大の目的は北の核とミサイルの排除であり、北の体制変更ではないという事である。対立しているとはいえ独立した主権国家である北朝鮮の政治体制を軍事力により一方的に転覆することは、仮に核とミサイル排除の副次的目的であるとしても国際社会において許されるものではない。同時に、これが中国に絶好の介入口実と機会を与えることとなることも米国は確実に考慮に入れていると考えられる。このことから米軍地上兵力の北領内での作戦はないと考える。
金正恩を殺害すること自体が目的なのではなく、北朝鮮を核なき普通の国家とすることが目的なのである。理想は、金正恩もなく核もない普通の国家かもしれないが、金正恩体制下の核なき国家ならまだ許容範囲だ。逆に金正恩を殺害することによって、北朝鮮国内が大混乱に陥り、残余の北の指導者が自暴自棄になる状況こそ、米国にとって最悪のシナリオである。
日本への攻撃は
軍事力を使わないと簡単に見積もることができた過去の米国三政権の下で北朝鮮は二十四年間、核兵器、ミサイル開発を着々と進めた。いわば二十四年間、枕を高くして寝ていたその彼らに衝撃を与えたのが、米軍によるシリア攻撃であった。そして、中露との関係を考えたとしても、米国が今、北朝鮮問題に本腰を据える環境は、十分、整ってきたといえる。
先に述べたように、北朝鮮が日本を攻撃する可能性はあるし、読者が本記事を読む時には、実際に米軍による北朝鮮核ミサイル関連部隊・施設への攻撃が行われているかもしれない。北は自らのミサイルが沖縄を射程に収めるのは在日米軍が標的であると述べたが、同時に、日本への脅しにもなっていることも、また事実である。
その際でも、北にとっては米韓連合軍と韓国への攻撃が主となるため、我が国への攻撃はその残余の兵力によらざるを得ない。仮にそうだとしても日本では、今次事態に対する防空演習も行われないなど、危機感が欠如していると言うべきだろう。BMD体制の整備も引き続き行うべきだし、今後のためにも直接の防衛措置はもとより政府をはじめとする官民一体となった対処体制構築の加速が必要である。
最後に、以後の推移として、今次事案が次に打つ手の手詰まり感から米国と北朝鮮とも強硬な挑発を控える結果、米軍の攻撃が行われない公算も大きい。この事態は、戦争を望まない各国や各種勢力にとって短期的には最良の結果と映るであろう。しかし、これは過去二十四年間と同じく、北の核ミサイル開発が一時的に中断したことでしかない。皮肉にも、米北の直接戦闘回避という見かけ上の最良の結果が、真の最悪の結果、すなわち制御不能の超中央集権・独裁全体主義国家である北朝鮮が核兵器と世界のどの地点も攻撃可能なICBMを保有するという事態を招くことを我々は忘れてはならない。短期的な最良の結果が仮に達成された場合でも、近い将来に米国が北朝鮮を攻撃することは必然の流れであろう。これが現実であり、その場合、米国は国連や同盟国にさえ相談せず、自らに最適のタイミングを選び一方的かつ強烈な一撃を北に加えるであろう。これが、米軍が伝統的に最も得意としてきた米軍の戦い方である「Shock and Awe」である。
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